「おたま」のこと

 団体さん記念写真の中央に写っている物体は「おたま」という名のおたまじゃくし状あみぐるみです。ぬいぐるみが‘縫い’ぐるみなのに対して、あみぐるみは‘編み’ぐるみ。つまり毛糸で編んで中につめものの入ったお人形です。
 このおたまは筆者の製作ですが、おおもとは高宮孝治さんという方の産み出されたものです。ネットではかなり有名なので、手芸をする方はご存じの方も多いでしょうが、筆者も高宮さんのKNITWORK ORANGE ・男の手芸道というサイトを見て即座にはまり、とりつかれたようにおたまを量産していた時期がありました。このサイトは単に読み物としても面白いので、ぜひ「レッツかぎ針」というコーナーを読んでみてください。編み物をされる方はもとより全く経験がなくても即座につくりたくなること請けあいです。
 最近ではおたま−おたまオフィシャルサイト−というサイトもありまして、作り方などはこちらのほうが詳しいんですが、筆者としては「レッツかぎ針」の心躍る文章が大好きなので初めての方にはやっぱりこちらをおすすめしたいです。
 もともとかぎ針編みが好きだったんですが、ほんとに一時期はおたまをつくるために毛糸を買い針を買うありさまで、糸の種類やおたまの形などさまざまな物体をつくりつづけました。その中でもっともよいできなのが写真のおたまです。これ以降はどれをつくってもぴんとこず、なんとなくおたま作り熱も醒めてしまいました。作っているうちにだんだん手が慣れてきて、簡単にかつ見目よくできるので、近頃は友人へのプレゼントのデコレーションにリボンの結び目にひっつけてみたりするのに作っていますが、旅行に行くほど入れ込む出来は写真のおたま以来ありません。きっとすごくささいなことだとおもうんですよね。針と糸のマッチングとか、糸の太さとか色とか。この辺の安定しなさもおたまの魅力だと思います。
 あなたも魅惑のおたま世界へぜひ。