三保半島歩き

 遠州灘のだらだらっとした海岸線が御前崎で折れ込んで、駿河湾になります。御前崎伊豆半島石廊崎を結ぶ線が湾口になります。
 その駿河湾のなかほどに飛び出した三保半島は、羽衣の松がある松原が名物です。名物?
 駿河湾というのはものすごく深い湾で、湾中央はなんと水深2500mにもなります。瀬戸内海や東京湾の水深はだいたい10−40m、瀬戸内海の最深部は217mです。また駿河湾から晴れた日には富士山が見えますが、富士山の標高が3800mですから、いかに駿河湾海底が急峻な地形かわかるとおもいます。そういう地形的特徴がサクラエビ漁につながるわけですが、食べましたよ、サクラエビサクラエビはおいしい店とおいしくない店の差が激しい食べ物でした。筆者は小さい海老がそもそも苦手なので、食べたくないなあという気持ちと名物にチャレンジせねば!という気持ちのせめぎあい。結局、何カ所かで生とかき揚げと釜揚げを食べましたが、かき揚げが一番よかった。それぞれ一軒でしか食べてませんから、店の差もあると思いますが。
 海と言えば瀬戸内海、のわれわれにはどどーんと高い波が来て、島影なんてない水平線の広がる海はなんとも新鮮なものでした。あざくんはあざらしですが関西出身の不思議。って、ぬいぐるみだから。
 この海岸は石の海岸で、砂浜とゴロタ石の中間くらい、ちょうど水切りによいサイズの石が並ぶ浜です。水切りって言うのは石を投げてぴょんぴょんとはねさせる遊びのことです。さすが三保の松原は観光地のようで、おみやげ物屋もありバスの駐車場もありました。海岸でカイトボードをしている人がちらほら。それをさして「水上スキー?!」という観光バスから降りてきたおばさんたち。違います。カイトボードはまだ認知度が低いですね。白砂青松のうつくしい海岸で寝そべったり石投げて遊んだり、とてもいい環境でした。のどかでしずか。散歩にいい海岸だなあ。天女が羽衣を掛けたという「羽衣の松」は、樹が弱ってきているということで厳重に囲われて養生されていました。見た目にはふつうの松。二股になっていて羽衣をかけやすそうではあります。
 松原の木陰には茶店が3軒。ここの名物はおでんだそうです。味噌おでんですが、田楽味噌のようなあまーい味噌におでんなべからとったおでんをずぼっとつけて、かつお節と青のりをふってくれます。甘い味噌味が強烈なのですが、とても美味しかったです。静岡のおでんはここだけじゃなくて全体的にこの田楽みそ味なんでしょうか?変わってますねえ。