水族館趣味

 あざくんはあざらしなのでお魚が大好き。だからわれわれは水族館によく行きます!・・・・嘘です。ぬいぐるみが魚好きもなにもあるか。筆者が好きなだけです。
 東海大学の水族館って有名ですよね?そうでもないですか?筆者には有名でした。三保半島の先端にあります。行ってみると水族館だけでなく、恐竜などをあつかった自然史博物館も併設されていました。正しくは東海大学社会教育センターという組織の中に、海洋博物館と自然史博物館があるということのようです。
 水族館の展示はとても勉強になるものでした。回遊魚やエイなどを入れた大型水槽が最初にあります。そのあとはテーマ別の小さな水槽がたくさん。リュウグウノツカイやラブカの標本もありました。リュウグウノツカイの標本はかなり見物。雄雌ペアの大きな標本と、全長30cmほどの幼魚の標本がありました。幼魚は初めて見ました。幼魚にもあの特徴的な長いヒレが。すごい。ラブカも標本とはいえ実物を見たのは初めてなのでうれしかったです。さすが深海、駿河湾、ラブカは深浅移動するためにサクラエビ漁の網に入るそうです。サクラエビとっててラブカかかったらいやだろうなあ。
 小さな水槽では、赤い魚・北の魚・タコ・エビ類などテーマ別の展示がされていますが、コブダイの水槽が漫画雑誌ガロのようなざらりとくる不思議感をもたらしていました。水槽って切り取られた画面のようにも見えますよね。水槽のなかほどにおかれた構造物の陰からこちらをのぞくように、じっと停止しているコブダイ。シュール。
 シュールといえば巨大なミズダコがとじたりひらいたりわやわやしている水槽で、一心不乱に写真を撮っている人がいました。水族館ではフラッシュ撮影禁止とかいうのを超越した、声をかけるのもはばかられる雰囲気が。なんだったんでしょうかあれは。
 水槽の裏を見せる部分もあり、マニアックさかな好きは大喜びの展示です。またこの水族館は飼育繁殖に力を入れておられるらしく、水族館生まれで海を知らない魚たちの展示もありました。そこの中では、小さなクマノミがわらわらわらわらしている水槽がすっごくかわいい!クマノミってマスで飼うとあんなにかわいいとは。クマノミ飼いたい病にかかりそう。
 しかしこの水族館、いや、海洋博物館の底力は2階です、2階にあります。2階では魚の展示はありません。「マリンサイエンスホール」と名付けられた海洋学的な展示は一見の価値ありです。水圧でへこんだ鋼鉄球、水槽を使った波の発生と減衰の様子、ピグミーシロナガスクジラ骨格標本など、海洋博物館の名にふさわしい興味深い展示の数々です。もっとも科学好きでないと楽しくないかも。科学好きのわれわれでも、展示の量に圧倒され、最後の方は飛ばし飛ばしに見ないと時間が!という感じ。たっぷり時間を空けて行かれるのが吉かと思われます。
 「マリンサイエンスホール」の次は「メクアリウム」。海の生物の動きをモデルにした機械(メカ)が泳ぎ動く展示。えーとここは生物好きのわれわれにはそんなに・・・。機械好きの人には面白いと思うんですけどねえ。小さい水槽にメカ魚と一緒に泳がされている一匹のツバメウオが哀愁を漂わせていました。
 最後はミュージアムショップですがここがまた素晴らしい。だいたい筆者は海に関係がありそうなグッズを適当に並べて売るという水族館によくあるミュージアムショップにはいつもがっかりしているのです。しかしここには東海大学オリジナルTシャツなどオリジナルグッズがいろいろありました。いくらかでもオリジナルグッズがあれば、それだけでずいぶん印象が違います。図鑑類が充実していたのも好印象です。オリジナルグッズではクマノミがキャラクターとして多く使われていました。Tシャツはクマノミ、ハリセンボン、チョウチンアンコウなど数種類。なかでもかわいかったクマノミを買いました。写真がそれです。まんなかのアルファベットは学名(Amphiprion ocellaris)です。この辺もいい感じ。
 自然史博物館は海洋博物館に比べて小規模ですが、化石や恐竜の模型などを使った丁寧なつくりでした。化石のクリーニング体験ができるほか、体験コーナーがおもしろかったです。静岡県は地層的にも古いんですね。恐竜だけでなく、哺乳類の進化なども説明されています。しかし海洋博物館で予想以上に時間をとられてしまったので、駆け足で通り過ぎました。もったいなかったな。
 全体的に科学ごころを満足させる素晴らしい博物館です。たっぷり時間を空けて、ゆっくりみてまわってください。ただしおしゃれできれいなデートスポットというわけではないので、デートに使う際は注意が必要かと。